ジーン・シモンズ「金がないのが諸悪の根源」
貧しい子供時代を経て富を築いたキッスのジーン・シモンズは、「金は諸悪の根源」ではなく「金がないことが諸悪の根源」だと考えているそうだ。
『American Songwriter』のインタビューで、「あなたは貧しい生活の中育ったが、いまはそうではない。その純然たる事実はあなたにとって何を意味するか?」と問われると、こう答えた。「俺らは、自分らが金持ちだってことを得意になるべきではないと言われている。でも、そんなのたわ言だ。人々は俺が現れると、あの男には1億ドルだとか10億ドルの財産があるって話をするじゃないか。で、“あいつの言ってること聞いてみろ、なんてやな奴だ!”とくるわけだ。でも、もし俺がなんの努力もせず宝くじに当たっていたら、“スゴイ! 何もせずに大金が手に入った!”とか言うんだろうよ。俺は、一銭残らず全て自分で働いて手に入れたんだ。俺は、“俺の金を見てみろ”って言うことができていいんだ。でも、それはダメなんだろ」
「どう説明したらいいのか……、でも、金があるのはないよりいい。そうなんだよ。金持ちだったら雇用を創出できる。金持ちだったら、慈善活動に寄付できる。貧しい人は俺に仕事を与えてくれなかった。そして、“金は諸悪の根源だ”ってことわざを思いついた奴は能無しだ。金は諸悪の根源じゃない。金がないことが諸悪の根源だ」
「コンビニで強盗はたらくのは金がないからだ。犯罪が起きる原因は十分な金がないからだ。人々に仕事を与える、それが犯罪を減らす解決策の1つだ。そうしたら、彼らは家族を養える。盗む必要はない。薬物依存症に関しては言わせるな。あれは別だ。オピオイドやクラックにはまるリッチな白人の子供たちは多い。それは別の話だ。俺はコメントする資格はない」
シモンズは10年ほど前CNNのインタビューで、イスラエルでの子供時代、家にはトイレさえなく、いまで言うフードバンクのお世話になっていたと話している。そこで初めて桃の缶詰を知り、世の中にはこんなに甘くて美味しいものがあるのかと感動したという。「それで突然、誰かが気にかけてくれているって気づいた。大きくなったら、自分が違いを生み出してやるって自分に誓ったんだ」