ダグ・アルドリッチ、メイクなしのキッスのメンバーを目にし「罪悪感を覚えた」
ギタリストのダグ・アルドリッチが、80年代初め18歳のとき、エース・フレーリーが脱退したキッスのオーディションを受けることになった経緯を語った。当時のドラマー、エリック・カーのガールフレンドからスカウトされたそうだ。
高校を終えロサンゼルスに移り、サンセット・ストリップのクラブGazzarri'sでプレイし始めたときだったという。アルドリッチは『Three Sides Of The Coin』ポッドキャストでこう話した。「ある日、1人の女の子が来て、彼女のボーイフレンドはエリック・カーで、彼らはキッスのギタリストを探してるって言うんだよ。彼女は僕がそれに相応しいと思うって。僕は冗談だ、僕をからかっているだけだろうって思った。そしたら数週間後、僕らがまたプレイしているとき、彼女はエリックを連れて来たんだ」
クラブの中は暗い上、アルドリッチはメイキャップなしのキッスのメンバーを見たことがなく、最初は本物なのか確信が持てなかったという。「髪型はわかった。本物のように見えたけど、当時はもちろん、誰も彼らの素顔を見たことなかったから……。でも、本人だったんだよ。だから、僕は仕事先の電話番号を彼に渡したんだ。あのとき、僕は家に電話がなかったから。数日後、彼が仕事場に電話くれて、Record Plantへ来るよう誘われた。そこでジーン(・シモンズ)とポール(・スタンレー)に会った。メイキャップのない彼らを見るのは奇妙だったよ。罪の意識を感じるほどだった。“誰も彼らのこと見ちゃいけないのに、彼らはいまここで歩き回ってる”って感じで……」
オーディションにあたるジャムは上手くいき、その後さらに2回ジャムに誘われるほどだったが、高校を出たばかりで経験の浅い彼向きではないのは明らかだったという。「ちょっと居心地悪いのは明白だった。でも、彼らはスーパー・ナイスだったよ。数日後、エリックから電話があって、“君は素晴らしかった。本当に良かったよ。でも、僕らはもう少し経験を積んでる人を探しているんだ”って言われた。(でも)素晴らしいレッスンだった。本当に励まされる体験だったよ」
キッスはこのとき、ヴィニー・ヴィンセントを2代目ギタリストに迎えた。